第2回2020TDMセミナー

PETボトルの流通から紐解くライフスタイルの変化(2021年4月28日(水))

日時:2021年4月28日16時~17時
方式:オンラインセミナー

内容:

第1部【講演会】
4兆円!!清涼飲料業界の物流と、ボトルtoボトルに進化するペットボトルのリサイクル
一般社団法人全国清涼飲料連合会 自販機部長兼広報部長 白石 和弘 様

 はじめに、消費後のペットボトルのリサイクルについて、「家庭系」と、「事業系」の2つに大きく分けられ、それぞれの流れを物流という視点を含めてご説明いただきました。
 清涼飲料業界のマーケット規模は、約4兆円に上ります。その中で、日本のペットボトルのリサイクル率は世界最高水準の85.8%となっているとお話いただきました。リサイクルの中でも、再びペットボトルとして使用する“ボトル to ボトル”は、水平リサイクルとも言われ、同じ素材を何度も循環させて、資源の再活用することで化石由来資源の消費削減とCO2の削減が期待できる理想のリサイクルです。樹脂利用量に対する再生材の比率は2019年度で12.5%にまで上昇し、全国清涼飲料連合会ではこれを2030年までに50%にする目標を2021年4月19日に発表されました。また、2020年8月には、清涼飲料業界と東京都で、ボトル to ボトル東京プロジェクトを立ち上げています。
 次に、自動販売機の横にあるリサイクルボックスについてご紹介いただきました。リサイクルボックスは、PETボトル、缶、びんなどの空容器を回収するためものですが、調査結果から、たばこの吸い殻などの異物が31%ほど混入しており、ゴミ箱ではなく飲料容器専用のリサイクルボックスであることを知らなかった方が42%だったとのことで、異物混入の低減への啓発にも取組まれています。投入口の向きを工夫した新型リサイクルボックスの実証実験では異物混入が半減するなど改善が見られ、2021年度にはエリア等を拡大して実施されます。回収品質の向上は、ボトル to ボトルの推進につながり、CO2や処理コストの削減など様々な効果が期待されています。業界として、環境問題への取組におけるプレゼンスの更なる向上を図りたいとのお考えをいただきました。
 最後に、サーキュラーエコノミーやカーボンニュートラルの観点、またCSV(共通価値の創造)の観点から、業界として重点を置いて取り組んでいくとして講演をまとめていただき、最後にボトル to ボトルの普及啓発動画をご紹介いただきました。

【白石氏略歴】
大手食品メーカーに入社後、様々な営業部門や卸の部門に従事する中で物流にも関わる。その後、自動販売機営業本部副理事を経て2019年9月より現職。現在は、渋谷区における新型リサイクルボックス実証実験を通じて自動販売機リサイクルボックスの異物混入の低減や、自主ガイドラインなどの改定、人材の安定、働き方改革などの業界諸課題の解決に向けた現状のリサーチなど多角的に精力的な活動を実施中。

第2部【講演会】
コロナ禍 資源循環の現場から(収集運搬・素材選別業務)
公益財団法人横浜市資源循環公社 課長補佐 原田 雄一 様

 はじめに、コロナ禍で、どのように資源循環が行われていたか、公益財団法人横浜市資源循環公社の業務を紹介しながらお話いただきました。昨年の最初の緊急事態宣言の期間中(2020年4月7日~5月25日)に横浜市の家庭から出た缶・ビン・ペットボトルの量については、前年度の約1.2倍となり、臨時受入ヤードを用意して対処されました。また、横浜市の家庭系一般廃棄物の処理フローを例に、物流に交えてお話いただきました。資源物については、収集から中間処理施設への運搬、素材の分別・異物除去を行い、いかにスムーズにリサイクラーへ引き渡すかが、廃棄物処理の肝であり、日本では、リサイクルの流れが上手く出来上がっており、しっかりと処理がされているということをお話いただきました。
 続いて、昨年のコロナ禍における廃棄物管理について、ペットボトル等の回収量の増加やその対応についてデータを用いてお話いただきました。中間処理においては処理能力を超える搬入があり、一時保管で対応したことから、災害時なども想定した一時保管場所の確保が重要とのお考えをいただきました。
 後半では、ペットボトルのリサイクルの課題についてお話いただきました。横浜市の缶・ビン・ペットボトルの分別率は高く、分別が定着している一方で、キャップとラベルを外す、中をゆすぐ、つぶすという正しい出し方については十分には定着していないとのことです。つぶすことによる体積の減少が物流の効率化につながるほか、キャップや、ラベルは素材が異なり、リサイクルするための引き渡し先が違うことからも、正しい分別の必要性をご説明いただきました。
 最後に、ペットボトルのリサイクルでは、よりきれいな状態を求められる傾向があり、素材としての価値を高めないと引き取り手がなくなってしまうのではという懸念もあり、使用後はリサイクルする、その前にごみを出さないというリデュースの取組にもご協力いただきたいと講演をまとめていただきました。

【原田氏略歴】
大学卒業後、民間企業を経て、1997年横浜市資源循環公社へ入社。横浜市一般廃棄物処理施設の管理運営にエンジニアとして従事し、その後、市民啓発施設の運営など廃棄物問題に関する啓発事業に関わる。現在は、小学生への環境教育(出前講座)を中心とした啓発事業と開発途上国から行政官を受け入れ廃棄物管理について研修を行う技術支援事業を担当。

第2部【座談会】
・テーマ「PETボトルの流通から紐解くライフスタイルの変化」
・登壇者(五十音順)
 白石和弘氏(一般社団法人全国清涼飲料連合会 自販機部長 兼 広報部長)
 原田雄一氏(公益財団法人横浜市資源循環公社 課長補佐)
・ファシリテーター

 松本祐一(東京都オリンピック・パラリンピック準備局 輸送担当部長)